NSRの中古車を購入したい方へ|失敗しない選び方とお勧めの型

◎最終型がおすすめ

ホンダ NSRは1986年から1999年まで作られました。なので、2016年現在、初期型は30年、最終型でも17年が経過しています。一般的な製品で考えると、これはもう骨董品レベルです。しかしバイクという製品は面白くて、30年モノでは「クラシック」と呼んでくれません。ましてや20年も経過していないバイクは、「普通の中古車」扱いです。

 

NSRは、3回のフルモデルチェンジがありました。つまり、4つの型があるということです。4つとも、デザインがまるで違います。カウルの形状やステッカーのデザインに始まり、ホイールからエンジン特性まで、見事に個性があります。「4タイプのNSR」というより「4つの別のバイク」といってもいいくらいです。

 

なので、「NSR乗り」は、自分のNSRの型が一番だと確信しています。ちなみに私のNSRは1989年型です。89年型の特徴は、チャンバーがニョキーっと伸びて、サイレンサーが後部シートの真下まできていることです。これが、実に美しいんです。

 

しかし、この2016年に、「伝説のバイクNSRに乗りたい」という人がいたら、おすすめするのは、3型(MC21型ともいいます)か4型(MC28、最終型)ですね。

 

先に1型と2型(私のNSRは2.5型です)をすすめない理由から説明しますね。ホンダがもう部品を作っていないからです。つまり、中古で購入して、部品が壊れたら、最悪、修理ができずに廃車になります。

 

ただ、国内に10店ぐらい、NSRの修理ができるバイク店があります。なので、「絶対に修理できない」というわけではありません。しかし修理代は当然高いですし、そのバイク店の近くに住んでいないと、NSRを送らないとなりません。NSRの往復の運搬だけで、10万円以上かかることがあります。

 

一方で、3型と4型は、新品の部品がある場合があります。また、1型2型に比べて新しいので、中古部品も流通しています。「3年は乗り続けたい」という方であれば、3型か4型。「10年は乗り続けたい」という方は、絶対に4型がおすすめですよ。

 

◎100万円モノも

NSRの最終型である4型は、現在ではプレミアがつき、状態がよいものは、車体価格だけで100万円のプライスタグが付くこともあります。そこまでいかなくても、無事故車で、走行距離が2万㎞以下だと、70万円を下ることはないでしょう。

 

そういった意味では、私の2型「1989年型NSR」は、格安といえます。ただ気を付けたいのは、いわゆるリセールバリューです。4型は100万円しても、乗り飽きて売る時に、買ったときより高く売れる可能性がある「といわれています」。一方、私のNSRの下取り価格は、2015年末に査定してもらったところ、10万円でした。32万円が、8カ月で10万円です。

 

◎どこで買うか

実はNSRの中古市場はとても豊かです。はっきりいって、全国どこでも買えます。1型ですら、状態がいいと40万円という値段で流通しているくらいです。でも気を付けなければならないのは、やはり修理です。ネット経由で買うことは避けた方がいいでしょう。

 

NSRを買うときは、必ずバイク店で買ってください。そして必ず、店長に「壊れたら直せますか?」と尋ねてください。もし店長が「修理は無理」と言ったら、そこではNSRは買わないでください。もし店長が「おカネは相当かかるけど、無理ではない」と言ってくれたら購入を検討してもOKです。しかし、その場合でも、1点だけ注意してください。

 

それは「NSRの新品部品はないと思うんですが、どうやって部品を調達しますか」と、聞いてほしいのです。その質問の答えは、3つあります。

①NSR専門店に外注に出す

②NSRの中古部品を手に入れるルートがある

③俺をなめんなよ――です。

 

③は冗談です。

①は、一見頼りなさそうに思うかもしれませんが、そんなことはありません。NSR専門店に人脈を持っているだけで、そのバイク店は信頼できます。

②は、ほぼNSR専門店と呼んでもいいくらいです。または、クラシックバイクの修理が得意な店なのでしょう。このように言ってくれる店は、やはり安心できます。

 

◎失敗しない個体選び

私が買ったのは、レッドバロンでした。宣伝にならないよう、事実だけを書きますね。個体選びでは、店長にきちんと要望を伝えました。その内容は次の通りです。

①コミコミ40万円以下

②事故歴と改造のないもの

③社外ステッカーはNG

これを紙に書いて、店長に渡しました。そしてこう言いました。「店長が『自分が乗るとしたら』という感じで探してくれたら嬉しいです」

 

すると、半月ぐらいで店長から「いい個体がありましたよ」と電話がかかってきました。その個体はこの店にはなく、別の土地のレッドバロンで扱っている個体です。私が買うと決めれば、取り寄せる仕組みです。ですので最初の個体のチェックは、写真で行いました。でも事前に、店長は、そのNSRを扱っている店に電話をして、状態を確認してくれていました。なので、写真では見えない傷も詳しく教えてもらえました。

 

その上で私は、「NSRが故障したら、どうなりますか?」と店長に聞きました。店長は「購入から3年間は、絶対に直します。だからといって、4年目に入ったらすぐに部品が調達できなくなるわけではありません。もしとても難しい故障になったら、外注も検討します」と言ってくれました。それで購入を決めました。

 

そして実際に故障し、そしてちゃんと修理してもらいました。当然、修理費用は安くありませんが、それでもちゃんと走るようになりました。

 

◎どういう人がNSRに向いているか

NSRを買うだけなら、40万円もあれば足ります。この金額で、あのバイクが買えることはすごいことです。でも「安かろう悪かろう」です。安いNSRは必ず故障します。よろしいですか、「必ず」です。しかもその故障は「1カ月後」に来るかもしれません。

 

ですので「5年間で100万円は出せる」という人以外は、買わない方がいいと思います。といいますのも、40万円のNSRを買って、1カ月で故障して、修理代がなくて「売らなきゃ」となったとき、そのNSRの下取り額はゼロ円になる可能性が高いです。良心的な店でも、数万円といったところでしょう。

 

とうことはですね、100万円分の「NSR好き」がない人は、NSRには向かないということです。でもNSR乗りは、5年100万円という金額はベラボウとは感じていません。それくらい魅力が詰まったバイクですから。

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