私が購入したFZR1000はシリーズで一番古い88年式(登録は87)です。
当時TT750クラスにデビューしたFZR750の1000cc版で750のボディサイズに1000ccのエンジンを積んだ過激なバイクでした。
当時GSX-R1100という軽量ハイパワーなバクの対抗馬としてYAMAHAの技術を注ぎ込んだバイクでした。世界GPで活躍していらケニー・ロバーツやエディ・ローソンといったレーサーが好きだった私はZXR750とNINJA900の新車と悩みに悩んだ末、13,500km走っていたこのFZR1000を購入しました。
外観・装備
当時としてはフルカウル、アルミフレーム採用で軽量ボディ採用のFZR1000は大変過激なバイクでした。
レーサーイメージの車体は少し改造するだけでOKなほどのYAMAHA初の丈夫なアルミフレームを持ち、これが機能はもちろんビジュアル的にかっこ良かったです。フルカウルは今のSSバイクでは考えられないほど肉厚のあるもので整備性も良かったです。
当時人気のあったGSX-Rはアンダーカウルを外してエンジン下部を見せることができるのですが、このFZR1000ではそれができないカウルだったのが残念でした。
購入時にシングルシートカウルも付いていたのですがこれがまたカッコ良かったです。
カウルの防風効果はかなり高く、今のSSバイクほど伏せなくてもしっかりと風を防いでくれて実用性も高いものでした。エアクリーナーへ新気の風のを送る導入パイプがカウルにあるのですがこれは当時のレーサーにあった装備で実際は効果があったのかは謎です。
大径ダブルディスクと4ポッドキャリパーを装備したフロントブレーキは恐ろしいほどの制動性能を発揮し、峠や街中で大きな安心感がありました。金色に塗られたキャリパーはブレンボに似た見かけがあり、BRENBOの小さな文字だけのステッカーを貼り、自己満足しておりました。
ステップまわりも軽量化もあり、アルミをおごられ、肉抜きされ、そこそこノーマルでもレーシーなものでした。踏ん張りもききやすいステップで、後々ハリケーンのバックステップを入れるまで満足して使用しておりました。
ポジション
シート高は775mmな上にシートの先が絞られとても足つきがよく、日本の平均的な身長もを持つ男性なら普通に両足をべったりつけることができます。手をハンドルに伸ばすと少し前屈したスタイルになりますがけっして窮屈ではなく、むしろ少しスパルタンな気合が入ります。クラッチは排気量なりに握り込むのに少し力が必要です。
足も窮屈でなく、長距離を走るならとてもいいポジションにあります。ただ、素直に押しを下ろしたところにステップがあるのでそこが少し残念なところ。
また、このポジションは逆を言えば峠などで元気のいい走りをしたいときには物足りない位置になります。
乗り味
エンジンは135psを誇り、大変パワフルでトルキーです。今はもうFZ1にしか積まれていない5バルブエンジンは4バルブではだせない排気量以上の力強さがあり、高回転型=トルクがない、はこのエンジンにはあてはまりません。
回せば回すほど加速し、10,500rpmまで一気にゴリゴリした野性味あふれたエンジンフィールを感じさせながら吹け上がります。それはパワー以上の体感があり、ああ、大型車だなと感じることができます。
また、ノーマルマフラーの排気音が最高!!
ヅボン!と迫力ある排気音が低音のドスが効いた、あまり迷惑でない音量でいながらとてもいい音です。89モデルのFZR1000にはEXAPという排気デバイスがつき、これがたいして魅力ない排気音でしたので、同じツーリングチームにいる89乗りからうらやましがられていました。まあ、この排気量でEXAPは必要ない、とも思いますが。。。。
関西の某高速道路でCBR900RRと高速バトルをしたことがありますが、年式的に7、8年差があるのに互角に渡ることができました。(でもジーンズでそれをやったらダメでしたが)性格はツアラーで、どちらかというとツーリングに向いているバイクです。淡々とこなす長距離もメリハリと落ちつきあるトルキーなエンジンはライダーを飽きさせることなく、実に楽しいです。こんなバイクではありますが、峠も得意です。
少しリアに荷重をかけるようにイメージしながらバンクさせると底なしに曲がります。私は峠でガリガリにステップを擦って走っていました。コーナー前で少しアクセルを抜いてスピードをキープしたままコーナーをクリアすると深々とリーンしたまま力強くコーナーを抜けていくことができ、これぞ大排気量のバイクという充実感を感じることができます。
私はこのバイクにSP忠男のSUPER COMBATカーボンサイレンサーのマフラーを付けておりました。実際はわからないですがパワーがいくらか上がったような感じがありました。
注意点
4500rpmあたりに不快は振動を発生する地帯があり、そこは3速80kmから90kmあたりのよく使う回転数なので気になります。
このバイク、タイヤに非常に敏感です。いいタイヤ状態ならまるでコケそうな雰囲気を感じませんが減ってくると急に走りのクオリティが落ちてきます。むしろハイグリップタイヤを履くよりは燃費のいい、ある程度のグリップを長期間保てるタイヤを使用するほうがいいかもしれません。
総括
ほぼ同じ時期に発売された、OW-01(FZR-750R)というバイクがあり、これはほぼレース車両とされた特別なバイクなのですが、このバイクの雰囲気を持ち、これから長く続くYAMAHA大排気量の先祖となったバイクです。
トルクが厚く、大変乗りやすいバイクだけでなくフラットなシートは大きな荷物も積め、長期間のツーリングにもおすすめ。KAWASAKIの大排気量バイクと比べて軽くて取り回しのいいこのバイクは小柄な人にもおすすめできます。
峠にも似合う派手なカラーとしっかりとした足回り。フルスロットルで260kmをオーバーするエンジン性能も売りです。
購入当時は60万円で買いました。この性能でこの値段はお買い得です。
結果10年くらい乗ったバイクでしたのでコストパフォーマンスは高いと言えます。
整備性は。。。よくないです。フルカウルバイク全てに言えることですがプラグひとつ、アンダーカウルを外さずにおこなうことはできません。まあ、フルカウル車を買う場合、ほぼどのバイクでも言えることではないかと思いますが。
年式が経ってるのでなるべく新しいバイクを選ぶことがいいですが、買えば必ず満足できる一台と思います。どうぞ楽しいバイクライフを満喫してください。
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