――日常のすぐ隣にある冒険――
この道をまっすぐ走ったらどこまで行けるんだろう。
この道の終わりはどんな景色なんだろう。
カーナビや地図サイトが普及して、家に居ながらにして全国の道を走った気になれるのにバイク乗りときたら、自分の足でそこに行って確かめないと気が済まないものです。
おまけにグーグルストリートビューをしても網羅しきれていない道はゴマンとあり、林道、ましてや未舗装林道ともなれば……。
そんな未知なる道 (といっても林業に携わる人たちのために、こしらえた道です)の姿を見たいという願望が“千葉林ピック”の始まりです。
我ながらふざけたネーミングですが、その名の通り千葉(主に房総半島)の林道を乗りつなぎそこにあるだろう不思議な、そして荘厳な景観に身を置こうという走り。
しかもオフロード車ではなく、愛車のW650で行けるところまで突き進むという、自縛ルール付きです。
――飽きるまで林道を走り倒す――
都内下町の自宅を出発し、館山自動車道の姉ヶ崎・袖ケ浦インターチェンジを降りて、のどかな国道409号線をほんの少し走ります。
が、ほどなくして林道丹原線にアクセス。ここからはほぼ人里を離れ、林道だけを走り続けるディープな冒険が始まります。
丹原線から音信山線、万田野線、大福山線と次々舗装林道を南下し、いったんは国道465線に出るも間髪入れずに舗装林道へ突入。
三石山線、三島線を経由し、時には寄り道して未舗装林道へ。舗装林道走行が程よいウォーミングアップとなって筋肉がほぐれています。
全長4.6㎞のフラットダートの高山線・横尾線・大山線・山中線と連なる未舗装林道のコンボが有名ですが、今回は高山線から別れて柚ノ木線へ。房総林道随一の景観が楽しめます。
なかでもペルーの山奥を彷彿させる(笑)ガードレールのないカーブと断崖の掘割が名物。
観光地化された景観とは違う、人間が暮らしやすいように少々手を加えた程度の自然。こんな原始的な道を堪能したら県道34号線へ出て久しぶりの町へ。
まだ林道を走り足りなかったので、最後に竹岡林道へ。ここでは30㎝以上の段差があるクレバスに悩まされました。
疲れ果てて町に戻るとまるで泥田坊。戦意を喪失したところで千葉林ピック終了!
あとは快適に館山自動車道を流し、夕方過ぎには住み慣れた街へ19時頃に帰宅。房総半島の中心をチマチマ移動しただけで距離も大したことはないでしょうが、ものすごい運動量です。
上り坂をグイグイ駆け上がるバーチカルツインのパルスと、低速ながらせわしなく右へ左へと体重移動してカーブを曲がり、クレバスや落石をかわす。
地味ではありますが筆者はこの千葉林ピックにハマッてしまい以降、毎週通い詰めることになってしまうのでした。
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