稚内~ロシア領サハリンに日本の定期航路が開設され、気軽な海外ツーリングとして隠れた人気がありましたが、利用率の低迷により航路が2015年に廃止されてしまいました。
しかし、稚内市は、新しい会社による航路の復活を議会決定しており、今後の成り行きが見守られています。
再開の日のために、「サハリン単独単車旅」とタイトルし、サハリンツーリングのエピソードや、情報を紹介します。
遥か最北端を目指す
今回の旅は、できるだけ最北端を目指します。サハリン第四の都市オハは、最北の街といわれていますが、道はさらに北のシュミット半島のエリザヴェータ岬手前まで道は伸びています。
道が続いている以上、進むしかありません。行き止まりを確かめるべく北に進路を向けました。
無人の街、コレンド
※コレンド・オハ
地図にはオハから40km先にコレンドという街が表記されていますが、事前情報では「すでに廃止された街で、廃墟が残るのみ」と聞いていました。
遠くから見る限りでは人の営みを感じるため、
「今もわずかながらにでも人が住み、到着した途端に物珍しげな目をした子供たちが寄ってくるだろう」
そう思いながら近づいてみたものの、やはり完全なゴーストタウンでした。
後で聞いたところによると、コレンドは石油企業の社宅地区であり、会社の方針で社宅が廃止されたために、街自体も消滅したらしいのです。思えば、日本でも炭鉱や鉱山街が同じような理由で消滅していますね。
禁断の自然保護区
コレンドから先は自然保護区です。道を横切るワイヤーが張られ、一般の立ち入りが制限されているので、管理人を買収して禁断のルートを開きます。
自然保護地域だけにゴミひとつ落ちていない道を走っていると、一軒の小屋が見えてきます。
ポップな看板や作りから「カフェか?」と思いましたが、許可なき者しか入り込めない場所で、商売をする者などいるはずがありません。よく見ると切り株に斧が突き刺さったままです。
「13日の金曜日のジェイソンの隠れ家か?」と思い、あたりを見回すが誰もいませんでした。
サハリン最北端のエリザヴェータ岬
※エリザヴェータ街道
さらに進むと行く手を霧と頑丈なゲートに阻まれました。そこには「止まれ、砕石場につき立ち入り禁止」と書かれています。
ゲートの脇をすり抜けることは可能でしたが、本来はそれなりの手続きや書類が必要な場所に非合法で入り込んでいるので、何かあったら厄介です。
その先にも道は続いていましたが、北緯54度に到達したことを信じて引き返すことにしました。
後で聞いたところによると、道の先は小高い丘のようになっていて、天気がよければエリザヴェータ岬が見える綺麗な場所らしい。
岬までは道が通じていないため、そこに住む灯台守のために生活物資が空輸されているということでした。
コメントを残す