1984年、Z1やZ2に代表されるKAWASAKIの第一世代4気筒エンジンに続く、第二世代のエンジンを搭載したGPz900Rが発売されました。
サイドカムチェーンによるコンパクトな4気筒16バルブエンジン、フルカウルながらエンジンが見えるデザイン、エッジの効いたカウル、市販車で初めて時速250kmを超えた最高速など、スペックはまさに新時代の到来を予感させるものでした。
そして当時、750ccを自主規制としていた国内向けに、スケールダウンした750ccモデルであるGPz750Rが発売されました。
今回はそんなGPz750の総合評価を紹介したいと思います。
■スタイル、エンジン
750Rのスタイルは、ピストンのボア・ストロークをダウンさせたもので、900Rとほとんど同一です。当時、逆輸入車が高嶺の花だった一般ユーザーにとって、同じスタイルの750ccが国内モデルとして手に入るのは、実に魅力的な選択でした。
そして映画「トップガン」に900ccが登場したこともあって、当時の人気は大変に高いものでした。
■現代におけるGPz750R
しかし、1990年代に750ccの自主規制がなくなったことによって、このバイクの存在感は、900に奪われてしまったことは否めません。同じスタイルなら、パワーのある900に人気が出るのは当然ですよね。
したがって中古車相場は、他のナナハン(750cc)と比べて安いと言えます。ただし、人気が900ccに集中しているため、タマ数は少ないです。
■インプレ
さて実際に乗ってみた感想としては、元々900ccベースの車体に750ccのエンジンですから、ややアンダーパワーであることは否めません。ただし、当時のCB750FもCB900Fがベースであるように、それは珍しいことではありませんでした。
でも、750cc・77馬力のパワーがありますから、大型バイクならではのパワーフィーリングを感じることはできます。900ccに比べて750ccはショートストロークで、回すと楽しいエンジンだと言われます。
エッジの効いたカウルデザイン、ヘッドライトからリアカウルまで一体となった、流麗かつ荒々しいスタイルも魅力です。前後16インチタイヤのため、足つき性も良好です。
次に、数少ない難点としては、バックミラーステーが短いために、後ろが見えにくいことです。また、フロントタイヤサイズが16インチのため、現在主流である17インチと比べると、回りすぎると感じられる場合もあるでしょう。16インチのリプレースタイヤが少なくなっているのも事実です。
また、エンジンのパーツ供給は不安になりつつありますが、カウル等外装に関しては、900ccのものがそのまま使えるのはメリットと言っていいでしょう。
■購入したい方へ
1980年代当時はよく売れたナナハンですが、900ccの人気が高まるに従って、750Rのタマ数も価格も低下しています。
しかしそれは、安くナナハンを買うチャンスでもありますし、900ccの「ニンジャ」の雰囲気を味わうこともできます。大型バイクの入門用として、お勧めの1台と言えます。
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