―レインウェアの憂鬱―
馬車馬のように働き、やっと迎えたツーリング当日。その特別なイベントを狙うかのように降る雨は、前日までのテンションを一気に下げる天敵ですよね。バイク旅を人生の糧にしている筆者にとって、雨の日のライディングは絶望そのもの。
バイク旅は人生というドラマのワンシーン(笑)ゆえ、自分が気持ち良く旅できるワードローブにもこだわりたいんです。
なのに既存のバイク用レインウェアは機能こそ最強でも、どうしてもデザイン性の低さが許せない、と一言申し上げておかずにはいられないんです。
ジャケットは何とか妥協して受け入れられそうですが、とにかくあの太いオーバーパンツのシルエットが……。
「いやいや雨合羽にそこまで要求するなよ」と諭されそうですが、可能な限り普段穿き慣れているジーンズで過ごしたいというのが本音です。
―ライディングギア・普段着・レインパンツ―
そう思う諸兄は少なからずいると思います。そんなこだわりを拭いきれない我々の想いを汲み取ってくれるのが、立体裁断でバイクに乗りやすい5ポケットジーンズに、防水・透湿性に優れたゴアテックスを装備した「パワーエイジデニム」です。
外見はジーンズそのものですが、裏地は一面にゴアテックスメンブレン。縫い目はすべてシームが施され、徹底的な防水性を追求しています。
ゴアテックスの特徴は外側から水を通さず、内側に籠った蒸気を外に逃がす機能で、多くのレインウェアに採用されています。
また現行モデルは腰と膝に“PORON X-RD”という高機能防護パッドを標準装備しています。
このハイテクパッドは軽量かつ薄型なので見た目も普通のジーンズで、さらに通気性も兼ね備えています。それでいて衝撃の90%を吸収するという驚異的な効力を発揮。
それゆえに雨が降らずとも、普段のライディングウェアとしても有効であるとともに、冬場は遮風性の高さも相まって防寒+プロテクション、そしてスタイリングを妨げない普段着感覚、という1粒で3度おいしいボトムスとして重宝するでしょう。
―下半身だけ別世界にいるような、高い防水性―
何だかメーカーの回し者のようなセールストークになってしまいましたが、著者はすでに4本穿き潰し、さらに生産中止になってしまった旧品番も予備で何本かストックしているほどのへヴィーユーザーです(笑)。
それだけ重宝する1番の理由は、やはり高い機能性。
同じくゴアテックスのライニングを装備したブーツと組み合わせて、土砂降りの雨の中、5時間以上高速道路を走った経験が何度もあります。
決して大げさな言い方ではなく、まるで下半身だけ快適な部屋の中に置いてきたかのような錯覚を覚えるほど、気持ち良い!
しかも無事に帰宅し、着替える時に確認しましたが浸水ゼロの好成績。フロントのファスナーには大型のフラップが設けられており、防水パンツにありがちなファスナーの隙間から浸水して「恥ずかしい部分だけ濡れシミが……」ということもありませんでした。
―高機能を秘めながら、オーセンティック―
これだけのパフォーマンスも凄いですが、普通に洗濯機できる上に穿き込むと色落ちにも楽しめるも嬉しいポイント。
防水性が徐々に後退するのはハイテク素材の宿命ですが、遮風性は健在なので、以降は冬の防寒パンツとして穿き続けられるのも利点でしょう。
幾度かのマイナーチェンジを繰り返しながらずっとロングセラーを続けているのは、普段着感覚で穿けるカジュアルさと、その見た目からは想像できない驚異の防水性がモーターサイクリストに認められているからこそ、なんだと思います。
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