稚内~ロシア領サハリンに日本の定期航路が開設され、気軽な海外ツーリングとして隠れた人気がありましたが、利用率の低迷により航路が2015年に廃止されてしまいました。
しかし、稚内市は、新しい会社による航路の復活を議会決定しており、今後の成り行きが見守られています。
再開の日のために、「サハリン単独単車旅」とタイトルし、サハリンツーリングのエピソードや、情報を紹介します。
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パンクの恐怖
3度ほどサハリンをツーリングしていますが、「もうダメだ」と思ったトラブルはガス欠とパンクでした。
ガス欠はガソリンを入手できれば何とかなりますが(とは言っても3回ほど大変な思いをしましたが)パンクは、どうにもなりません。
1回目のツーリングはパンクしなかったので、2回目も大丈夫だろうとタカを括っていたら、えらい目に遭いました。
リヤタイヤがグニャっとする感覚があったので、すぐにバイクを止めて確認すると完全に空気が抜けていました。
なんとタイヤに鋭利な鉄片が突き刺さっているではありませんか!
チューブが裂けていたので、持参しているパンク修理キットで直してみたものの、約40㎞走ると再びペチャンコです。ペアチューブを持っていれば即解決なのですが、残念ながら持ち合わせていません。
救世主登場
その日、四度目のパンクで途方に暮れているところに、一台のクルマが止まりました。ジャケットにネクタイと言った身なりで、何か要職に就いている人のようです。
「どうかしましたか?」と彼が聞くので、「パンクです。チューブが破れてしまって困っています。簡単な修理では無理なようです」と答えると、「この先に修理工場があるので、タイヤを外してくれれば、私が修理をしてもらって持って来ます」と言うではありませんか。
後方からトラックが来ると、今度は運転手に「日本人のバイクが壊れて困っているんだ。運んでくれないか」と言うと瞬時に交渉成立。バイクがトラックに積み込まれました。
親切なロシア人に助けられて
工場の人たちによってバイクが降ろされるのを確認すると「じゃ、元気で」と握手を求められ、彼らは去って行きました。
さっそくタイヤが外され、工場に持ち込まれます。すべてを委ねるより術はないので、青く輝くオホーツク海を眺めて修理を待ちます。
数時間後、修理が完了したタイヤが取り付けられたので、「もうパンクしないかな?」と聞くと、自信満々で「ハラショー(大丈夫だ)」と言われました。
代金を払おうとしましたが、「いらない」と言って受け取りません。その代り、「ほら、先は長いんだから早く行きな」と言って握手を求められました。
またここを訪れることがあれば、もう一度みんなに会いたい。そして改めてお礼を言いたいと思い、心から「スパスィーバ(ありがとう)」と言い、工場のみんなに見送られて走り出すのでした。
連載第三回目へ続く
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