さて、その2の記事でも書きましたが、後輩から譲ってもらったNS-1のリアキャリパーが完全に固着していて、パッドも完全になくなってしまい、パッドの金属部がとディスクがあたってブレーキがかかっている状態です。
僕はこの状態で走ったことはないので定かではありませんが、この状態でブレーキをかければキーッという音がするでしょうし、もしかしたらブレーキをかけるたびに火花が散っていたかもしれません。もちろんこの状態で走行することはできないので、今回はリアキャリパーのOHを実施したいと思います。
まず、本来ならリアアクスルシャフトを外して、キャリパーマウントごとキャリパーを車両から外すのですが、今回はすでにキャリパーのみの状態になっているので、楽に整備を始めることができます。
キャリパーには、キャリパー本体にブレーキホースをつないでいるバンジョーボルトと、ブレーキフルードを排出するブリーザーボルト、更にブレーキパッドをとめるためのパッドピンというものがついているので、キャリパーを車両から外す前にある程度緩めておきます。
もしこれを緩めずにキャリパーを外してしまうと、キャリパー単体の状態で外すとなるととても困難になってしまうので、緩めておくのをおすすめします(^^)
はじめにパッドを外しますが、メクラ蓋をマイナスドライバーで外し、六角レンチでピンを外すとパッドが取り外せます。そしてここで今後の作業を簡単にするために、パッドの代わりに適当な工具や板などを挟み、何回かブレーキを踏みます。
そうするとピストンが出てくるので、あとでピストンを抜きやすくなります。固着している場合は潤滑油を吹いて1日置いてからこの作業をすると良いかと思います。
パッドピンに段付きがある場合は交換が望ましいですが、少し汚れていたり少しサビが出ている程度でしたら、耐水ペーパーなどで磨いた後、コンパウンドなどで磨けば再使用することもできます。
僕も今回は再使用しました!
次にブレーキフルードを排出しますが、これは適当なホースをブリーダーボルトにつけてスパナでブリーダーボルトを緩めてからブレーキを踏むと、数回ですべてのフルードが排出されます。その後キャリパーからブレーキホース、パッド、マスターシリンダを外し、ピストンを外していきます。
ピストンを再利用する場合はキャリパーピストンプライヤーなどを使用して外すことをおすすめします。もし再利用しない場合は先の細いペンチなどで挟んで外すこともできます。
僕はキャリパーピストンプライヤーを持っていませんし、新品のピストンを購入していたのでペンチで外しても良かったのですが、固着していそうだったのでアルバイト先のコンプレッサーを使用して抜きました(笑)
自転車用の空気入れなどで外す方もいらっしゃるようですね。
ピストンが抜けたら、溝にシールが入っているので、それを爪楊枝や竹串などの先が柔らかいもので外します。マイナスドライバーで外す場合は、溝やその回りを傷つけないように外してくださいね。
そして、ここからがOHの要ともいえる作業なのですが、シールが入っていた溝を綺麗に清掃します。僕は灯油につけてしばらくおいてから潤滑油を吹き付け、竹串で溝に付着したカスをとっていきました。この作業をしっかりやっておくことで、OHの効果がより実感できるようになるかと思います(*^^*)
この溝を清掃し終えたらピストンを組み込みます。ピストンを再利用する方は、コンパウンドなどでピストンを横方向に磨いてから組み付けると良いですね。縦方向に磨いてしまうとフルードが漏れる原因になるので、くれぐれも横方向に磨いてくださいね!
ピストンを組む際に、シリコングリスを塗って組み込む方もいますが、僕はブレーキフルードを塗ってから組込んでいます。この時に少しピストンを回しつつ垂直に押し込むことを意識して組み込むと、シールがよじれたり外れたりせず組み込めます。
無事ピストンが組み込めたら、ブリーダーボルトやブレーキホースを取り付け、ブレーキフルードのエア抜きをします。
ブレーキフルードのエア抜きはめんどくさいと感じる方が多いかと思いますが、注射器を使うと簡単だとみなさんおっしゃいますね。僕も以前は注射器を使うやり方でやっていましたが、正直注射器でやるのすらめんどくさく思います(笑)
そのため僕は、工具屋などで売っているワンウェイブリーダーを使用します。
ワンウェイブリーダーとは何かといいますと、逆流防止弁がついていて、ブレーキフルードが排出される際にエアがキャリパー本体に戻らないためエア抜きができるというものです。
これをブリーダーボルトに装着し、ゆっくりとブレーキを踏んでは戻し…を繰り返し、途中に何度かブレーキホースをトントンして空気が逃げるのを促していくと、ものの数分でエア抜きが完了します。
エア抜きが完了したら何度かブレーキを踏んで、ピストンを出しておきます。
この作業をしておかないと、OHが終わって試走するときに最初の数回まったくブレーキが効かなくなるので、絶対にこの作業は忘れないようにしましょう!
この作業を経て、リアキャリパーのOHは終わりです。
僕はまだレストア中なので走れていませんが、レストア後に試走するのがとても楽しみです(*´∀`*)
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