◎大型バイクに挑戦する?
結論からいうと、45歳でリターンライダーの私個人としては、大型バイクは要らないんじゃないかと思います。
確かに若いころは、「大型=えらい」「中型=子分」「小型、原付=バイクじゃない」みたいな考えをもっていました。しかし、私が20代のころはまだ、大型免許は「試験場一発試験」で取得するしかなかったので、その高い壁に阻まれ続けました。
しかし45歳でリターンライダーを始めてみて、「うん、中型が一番だ」という考えに至りました。その理由は次の通りです。
「面倒だな」を排除しよう
私のツーリング仲間は全員大型です。スズキ隼、ZX14R、R1、CBR1000RRなどなど、メガスポーツやスーパースポーツのオンパレードです。その中で私は唯一の中型バイク、しかもNSRに乗っています。
いまでは教習所で大型免許が取れますし、中古車を買うのであれば、むしろ大型バイクの方が中型バイクより程度が良くて価格も安いこともあります。それでもやっぱり、もしNSRが故障で走らなくなっても、次もまた中型バイクを買うと思います。
それは軽いからです。ざっくりいうと、大型は200kg、中型は150kgぐらいです。NSRは130kgしかありません。この50kg(または70kg)の差は、そのまま「面倒」の差になると思うんです。
「思うんです」と言ったのは、私はまだ大型バイクに乗ったことがないので、大型の取り回しについては想像で話しています。
つまり、ちょっと走りたいなと思ったとき、130kgのバイクなら「すぐに出発だ!」となるのですが、200kgだと「ま、いっか」と止めてしまうと思うのです。これは「45歳以上あるある」といってもいいでしょう。
また、バイクで走行中、気になる看板を目にしたら、NSRであれば急停止してUターンして看板を見に来た道を戻ります。でも、200kgのバイクをUターンさせる気になるかどうか…。
プロも認める実力
私がNSRを買ったバイク店の店長は、これまで20台以上のバイクに乗ってきました。現在は、ハーレー、カワサキの大型、ホンダの大型、そしてホンダの400ccの4台を所有しています。その店長が「乗って面白いのは絶対400cc」と断言するのです。
もちろん、ハーレーや大型の魅力も捨てがたいので、ほかの3台も手離せないのです。でもヒラヒラ走る楽しみ、エンジンを回す快感は、大型バイクでは得られないそうなのです。店長のように、運転スキルの高い人でも、大型は手に余るといいます。
憧れを取るか、仕事を取るか
しかし、「大型バイクに乗るためにリターンしてきた」という中高年の方もいると思います。
「この年で大型に乗るのが無茶なのは分かっている。でも大型に乗ることを引き延ばせば引き延ばすほど、大型に乗ることの危険度は増えるんだ!」
という声も聞こえてきそうです。そういう方には、ぜひとも、大型バイクに挑戦して欲しいと思います。
でも、「それほど大型にはこだわっていない」というリターンライダーは、250ccか、せめて400ccから試した方がいいでしょう。
大型バイクの運転には高いスキルが必要です。言い方を変えると、低スキルの人が大型に乗ると事故りやすい、となります。
リターンライダーの多くは、会社や社会でそれなりの責任を負わされている方だと思います。娯楽と仕事のバランスを考え、購入するバイクの排気量を選んでください。
ハーレー問題
中高年リターンライダーにとって大きな問題があります。それは「ハーレーに乗るのかどうか」という問題です。
ハーレーとは対極にある250ccレーサーレプリカに乗る私ですら、「ハーレーかあ」とか「ハーレーねえ」と考えることがあるのです。
もう一度、バイク店の店長を引き合いに出します。私は彼に「ハーレーの魅力ってなんですか?」と、そのまま聞いたことがあります。すると、店長はなんの躊躇もなく、こう言いました。
「遅く走っても楽しいんですよ」と。
店長のバイク観は、「速い」ことと「コーナリングが気持ちいい」ことです。この2つは絶対的な価値となっています。でも、たったひとつ例外があり、それは「ハーレーなら、遅くても、コーナリングが苦手でもよい」ということなのです。
私は「遅くてどうして楽しいんですか?」と尋ねました。店長は「ハーレーって、走っていることと、走らせていることの両方をきちんと意識できるんですよ」と答えました。
私がけげんな顔をすると、店長は大きな声で笑って「すみません、何言ってるか分かりませんよね。自分でもよく分からないんです、わははは!」と。
国産メーカーも、「大排気量」「V型2気筒」「空冷」「ゆったりポジション」のバイクが出ていますが、店長曰く「でもハーレーとは違うんですよね」とのことでした。
ちなみに、ハーレーの維持費はそれほど高いわけでもないそうです。純正部品を使えば維持費はかなりかかりますが、ハーレーは部品メーカーが代替部品を多く出しているので、そういったものをうまく使えば「国産車の維持費と変わりませんよ。世間で言われているほど壊れませんし」(店長談)とのことです。
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