ハーレーダビットソンは、1903年にアメリカのミルウォーキーに住む3人の若者によって創設されたアメリカ唯一のバイクメーカーです。正式にハーレーダビットソンとしての組織化は1907年のことです。
1910年には現在のロゴ「バー&シールド」を採用。なんと1913(大正2)年には日本への輸出を開始しています。
当時のハーレーの実車が見たくて、インターネットを検索すると、思いがけない場所にビンテージハーレーが存在しました。
銭湯にハーレーが!
場所は札幌市某所のスーパー銭湯。人目につかない階段の下にビンテージハーレーが展示しています。入場料もかかりません。
何やら1921(大正10)年に輸入したと書かれていますが、いつ、誰が、何の目的で所有していたのか分かりません。
しかし、当時これを乗り回すのは、現代ではジェット機を乗り回すようなもの。かなりの富裕層だったのは想像に難くありません。
横置きV型エンジン・チェーンドライブ
ハーレー社は、1907年にはベルドドライブ駆動のV型ツインエンジンを完成させ、1919年には、SVフラットヘッド車「横置きフラットツインV型」となりました。
しかしこのハーレーは一応横置きV型エンジンですが、チェーン駆動です。サスペションはハンドル下とサドル下にスプリングが付いているだけ。
当時は未舗装なので、衝撃が凄かったことでしょう。バイク屋もなくどこで修理をしていたのでしょうか?
車のようなミッション
タンク横にはマニュアルミッションの車のようなシフトレバーが付いています。
ハーレーのエンジンを作ったハーレー氏は、大学で自動車学を学んでいたそうなので、そこから応用したのかも知れませんが、走行性が全然想像できません。
爆音必死のマフラー
アメリカ製なのでスピードメーターはマイル表示です。馬車全盛の時代に、どこでガソリンを入れていたのだろうと、想像は尽きません。
マフラーは、サイレンサーなしのテールフィッシュタイプです。まだサイレンサーと言う概念がなかったのでしょう。実働するか分かりませんが、かなりうるさそうです。
昭和26年以降らしきナンバー
タイヤには、「大成ゴム工業」の文字が見られます。会社は存在しますが、タイヤメーカーではないようです。もしかしたら展示のための特注品かもしれません。ゴムの劣化が少なく、良い場所で保管されていたことが分かります。
ナンバーが付いていたので調べてみると、昭和26年以降のもののようです。輸入から30年余り経過していた当時でも、札幌の街を現役で走っていたのでしょう。
謎だらけの初期型ハーレーでしたが、実車を見ながら当時を想像するのは楽しい物です。あなたの家の近くの意外な場所にも、ビンテージバイクが眠っているかも知れませんよ。
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