私事で恐縮ですが、GPX250Rには、私の青春のすべてがつぎ込まれています。初めてのデート、そして別れ、ロングツーリング、転倒、スピード違反、日本縦断などなど、所有していた4年間の思い出がたっぷり詰まっています。年間走行距離は約1万㎞以上。たっぷりと付き合いました。
・バイク自体の乗り心地について:
先代モデルのGPZ250Rと比較すると、ハンドル高946→965㎜、幅512→534㎜と大柄になっているのに、シート高は745㎜のまま。適度な硬さのシートとの相性も良く、ロングツーリングでも疲れ知らず。
・街乗り時の時はどうか?:
レーサーレプリカと同じ45馬力を与えられていながら、キャブレター口径をGPZ250Rの32φから30φにサイズダウンしています。この変更により、低速から中速までオールラウンドにカバーされ、ストップ&ゴーが多い街中でも、ストレスのない走りを実現しています
・遠出したい場合はどうか?:
GPX250Rは、ツアラー的要素を備えています。燃費の良さや、ゆったりとしたポジション、すわり心地の良いシートについては前述したとおりですが、荷物の積みやすいフラットなリアシートと、可倒式の荷掛けフックがツアラーの証。センタースタンドも装備しているので、荷づくりにもメンテナンスにも活用できます。
・高速道路や坂道ではどうか。:
空力を研究したカウルのおかげで、高速安定性が高く、時速100㎞くらいが一番気持ちのいいスピードです。カタログ数値によると、最高時速は160㎞だそうですが、そこまで出すと風圧でバイクから体が離されそうになって危険です。エンジンのポテンシャルが高いので、一つギアをダウンすれば、坂道でまごつくこともありません。
・タンデムしたい人におすすめかどうか。:
まるで「二人で乗ってくれ」と主張するように、タンデムバーが標準装備されているところにカワサキの自信が伺えます。よくタンデムしましたが、大きなリアシートのおかげで「乗りやすい」「疲れにくい」と、好評でした。
GPX250Rは大好きなバイクでしたが、社会人になってから乗る回数が減り、そのうちバッテリーがあがってエンジンもかからなくなってしまいました。秋が過ぎ、雪が降りだし、「何とかしないと」と思ってはいたものの、忙しさで何もできず。GPXは雪に埋もれたまま。
仕事の関係で春が来る前に、実家から引っ越さなければならなくなり、父親に朽ち果てたGPXの処分を頼んで転居しました。したがって私は、このGPXの最後を見届けていません。
今まで数々のバイクに乗って来ましたが、廃車にしたのはGPXだけ。「その時の状況がバイクどころではなかった」と思うのは、言い訳にすぎず、「よりによって、なぜ一番思い出深いバイクを捨ててしまったのだろう」と、言う後悔だけが今も心に残っています。
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