ドゥカティ1299 Panigaleについての総合評価を紹介します。
ドゥカティのフラッグシップ機であり、200ps超えのモンスターマシンの細かな内容を実際に購入した筆者がインプレします。
250万円以上の高級バイクの実力は如何に!?
【購入前の印象と購入後のギャップ】
まず、購入の経緯から話しますと「衝動買い」です。(笑)
2015年7月日本国内での販売が開始したその日に契約を致しました。
最初はどんなバイクか様子を見に行くつもりでディーラーへ行ったのですが、まだ展示車しか無く試乗車すら用意されていない状況での購入。
その理由はPanigale独特のスタイリングに惚れ込んだのと、スペックから伝わる「化物のような速さ」に惹かれてしまった点にあります。
購入するまでは「高級車」「素人の扱えるバイクじゃない」など、高嶺の花のような存在ではありましたが、実際に目の当たりにしローンの支払い金額を見て「意外と現実的な金額じゃないか」となり購入至った訳です。
その後、7月に納車。翌日東京~長野県ビーナスラインまでのツーリングを行いその更に翌日には初回点検と、納車からわずか2日で初回点検を行いました。その初ツーリングでの初ライドの印象は、
・トルクフルな加速性能のお陰で高速道路での長距離巡航が楽
・軽すぎる車重がシート高830mmという足つきの悪さをカバーしている
・電子制御デバイス全てが公道にマッチしており、良い意味で抑制されている
でした。
概ねネガティブな印象を受けることもなく、「ツーリング用途でも十分使えるじゃないか!」と感じました。
しかし、初回点検が終わってから街乗りでの用途が少し増えてきた所からネガティブな部分も見えてきました。それは、
・極低回転(2000rpm以下)での扱いが難しく、停車~発進に気を使う必要がある
・モノコックフレームのためニーグリップをするとエンジンを直接挟むことになる。
(薄いボトムスなどで乗っていると内腿を火傷する恐れがあります)
でした。
この2つは普段使いとしては中々に致命的で、都心での利用はかなり負荷がかかっている印象さえありました。
今まで乗ってきた国産スーパースポーツと比べると、街乗りの部分がかなりデリケートで神経を使う乗り物であるというギャップに面を喰らいました。
とはいえ、筆者はサーキット走行をメインで考えて購入をしているので、このデメリットはあまりデメリットとして受け取らず、寧ろレーシングマシン同等のスペックを持っているのなら仕方ないデメリットだと受け止めております。
勿論、サーキット走行での性能は折り紙付きで、筆者のような初心者~中級者でも楽しくサーキットランが出来るので、そういった用途に関してはバッチリだと実感しております。
【車高・足つき】
筆者は163cmというバイクを乗るには小柄な部類の体格です。そして、1299 Panigaleのシート高は830mm。
はっきり言いますと、足のつま先が少しついている状態です。(両足つま先ギリギリ)
「そんなので立ちゴケしたりしないの!?」とよく心配されますが、この1299 Panigaleはドゥカティ独特のLツインエンジンのお陰で車体がとてもスリムです。
その為、830mmと数字では高いシート高ですが、幅が細いので足がストンと真下に落ちる感覚でそこまで足つきの悪さを感じませんでした。
筆者は以前、CBR1000RR(2012年)を保有しておりましたが、その時の足つきとあまり大差はないような感じです。
更に言えば、車重が軽いので今までのバイクに比べて引き起こしが楽なので、小柄な私でも問題なく乗れています。
もし、シート高だけで敬遠している方がいるのであれば一度、跨りにディーラーへ行くべきです!思いの外足つきはよく、足つきに対しての不安が払拭されると思われます。
【コスパ・購入時の金額】
本体金額は約250万円、初期費用コミコミで約260万円ほどで購入しています。パッと聞いた金額、とても高額に感じますが装備内容を考えればコスパは良い方に値するのではないか?と感じております。
フルカラーTFT液晶メーター、トラクションコントロール、ウィリーコントロール、エンジンブレーキコントロール、レーシングABS、オートシフター(アップ&ダウン)、ENKEI製アルミキャストホイール、マルゾッキ製Φ50mm(インナーフォークをチタンコーティング済)、brembo M50キャリパー装備…などなど。
高額なレーシングパーツがてんこ盛りな状況です。これらを国産車に後から同等品を装着していくことを考えると、結果お得なのかもしれません。(笑)
とはいえ、飽くまでスポーツ性能にフォーカスをあてた場合のみであって公道走行においては高級車であり、高額な印象は拭えません。
【取り回しについて】
車重はガソリン満タンで190kgと規格外の軽さなので、軽々と取り回せます。ですが、ハンドルの切れ角が少ないため狭い場所でのUターンなどスポーツ車特有の取り回しの難しさはもちろんあります。
ですが、街乗り~ツーリングで困ることなどは少なく普通に扱う分には可もなく不可もなくといった印象です。
【最後に】
このバイクはドゥカティだけでなく、市販スポーツバイクの中でも最高峰に位置するバイクです。
馬力、トルク、排気量、電子デバイス、何をとっても最高水準です。それも「速く奔る為」の性能ですので、ツーリング性能や快適性などはあまり考慮されておりません。
ですので、お勧めするのはサーキット走行などを好み、主にスポーツ走行がメインとなるユーザー。また、スポーツバイクのネガティブな部分が気にならないユーザーがお勧めです。
積載性や、利便性を求める方はスズキの隼や川崎のZX-14Rなどのメガスポーツツアラーがお勧めです。
250万円を超えるバイクの価値は、全ての場所ではなくコンセプトに沿ったクローズドサーキットにて発揮されるものです。まずは、ディーラーでその佇まいをご体感下さい。
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