映画「ローマの休日」でグレゴリー・ペッグとオードリー・ヘップバーンがローマ市内を2人乗りで走るシーンや、日本では「探偵物語」で松田優作さんがスーツに帽子で東京を走ったりと、何か映像にシャレたエッセンスを取り入れたいと考えた時にベスパはよく使われます。
スチールモノコックボディに丸みを帯びたスタイリング。現在街中を走っているスクーターのデザインの原型は、このベスパから生まれたという説もあるくらいです。
私の所有する「Vespa Primavera ET3」(1996年製)は残念ながら、現在生産は終了しています。古いとは言え、今でも乗っていて楽しい現役のスクーターです。
【乗ったフィーリング】
このVespa ET3 Primaveraはエンジンキーを差し込みCDIを作動させ、キックで始動させます。
1996年製のET3は、バッテリーレスでセルはついていないのです。車体も国産の125ccのスクーターに比べたらかなり小ぶりですね。このボディは排気量が50ccのVespa50Sと共有しているためです。
そして、初めてVespa に乗る方は驚かれるかも知れません。ハンドルの左部分がクラッチとギアチェンジになっているのです。クラッチを握りながら手首を手前に回して一速。反対に前方に倒して二速、三速、四速となります。
しかも降臨ブレーキはフロア右側にあるブレーキで操作します。最初は混乱して難しそうですが、300mも走れば大抵の方は慣れてきます。
しかもギアチェンジが大変に楽しい。
私のお気に入りは「バーエンドウインカー」です。ハンドルの先っぽにウインカーがついているのですが、とても可愛らしくてウインカーを出すのが楽しいのです。
音も独特ですね。「ビーーー」という音。まるで ハチが飛んでいるみたいです。
「Vespa」はイタリア語で「スズメバチ」という意味なのだそうです。
Vespaは軽快に街を走ります。スロットルからギアへの動力のレスポンスがかなりよく、まさにキビキビと走ってくれます。ただし、飛ばしすぎると大変です。あまり前輪ブレーキが効かないのですね。私は前輪ブレーキを信頼せず、後輪ブレーキを多用しています。
そもそも、止まれない速度で走らないのが基本ですが。
走っている時はギアチェンジを楽しみ、信号待ちではハンドルの両端につけているウインカーの灯りを眺めたりとても楽しいスクーター。そして、見ていて美しいスクーターですね。
【エンジンオイルの補充】
2ストロークエンジンを持ったVespa はメンテナンスも楽です。というより、私のVespa はほとんどメンテナンスフリーのようなところがあります。たまにブレーキケーブルやクラッチケーブルをグリスアップする程度ですね。
Vespa ET3は5Lの容量タンクを持っています。1L分がリザーブ用ですね。
燃費はあまり良いとは言えず、およそ30km/Lでしょうか。近所に買い物に行ったり、往復100kmくらいの所を走ったりするくらいですから、遠出や近場によらずその数字だと思います。
そして、走れば給油をしなければなりません。その給油時にもVespaならではの楽しみがあるのです。
エンジンオイルです。
Vespa は混合オイルなのです。ガソリン給油の際にオイルも一緒にガソリンタンクに入れます。量もシビアに計量カップで測って入れなければならないのです。多すぎたり、少なすぎたりするとエンジンに負担がかかり不具合は発生しますね。
【購入額について】
「乗って楽しい、見て楽しい」といいことづくめのVespaET3 Primavera。
中古車の相場は程度やらレストア具合によるでしょうが、35万円から50万円くらいではないでしょうか。決して安いものではありませんが、一度手に入れたら一生乗り続けられるスクーターです。
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