【総合評価】カワサキ ZZR1100の魅力や特徴をユーザーが徹底解説!

私が大型バイクの免許を取ってはじめて乗ったカワサキZZR1100D型は、当時では先端をいっていた流線形のエアロフォルムのスマートさと、高速ツアラーという乗りやすさを兼ね備えていたからです。パワーもトルクもあるZZR1100の総合評価をいたします。

ウインカーがカウルに埋め込まれたような流線形のフォルムはまるで旅客機のようで、空力特性が高く、ライダーに対しての防風効果が高いです。アッパーカウルヘッドライト下には2つの穴がありますが、デザイン的なものではなく、ラムエアシステムといい走行中の空気をキャブレーターへ送り込んでくれています。

クラッチレバーとブレーキレバーは段階式でグリップとの幅を調整でライダーの指の長さに合わせて調整できます。メーターパネルはスピードメーター、タコメーター、ガソリン表示、デジタル時計(年式によっては距離計)、ウインカー表示と乗用車のような装備で外観はフルカウルでレーサーレプリカに感じますが、中身は完全に旅仕様です。

1100CCの大排気量に合わせた2本出しのマフラーは迫力がある上、後ろからバイクを眺めた時のバランスの良さがカワサキの自信作と頷けます。

信頼性の高いタンデムバーも安心感があり、荷物ネットの装着や、タンデム時に高い価値観を感じました。タンデムシート横にも荷物ネット用のフックが付いており、荷物の脱着は他のバイクよりも楽で効率良いです。

■足付きに不安な方へ

大型スポーツツアラーというので乗る前に不安だったのが、が着くかとエンジンパワーをコントロールできるかでした。そんな心配は全くなく身長163cmの私でも片足は余裕で地面に着いたので身長160cm以上あれば大丈夫だと思います。

■乗りやすさは?

ハイパワーエンジンパワーの割には発信時の車体が安定しており、加速時に前輪が路面から浮く感じはせず、地に足がしっかりと着いている状態で、荷重だけが前後に移動しているのを感じ取れます。スロットルを絞る減速時には、フロントフォーク側へ一気に荷重が移動して、アクセルでのコントロールがやりやすいです。

長めのホイールベースによって、低速走行でも走り出したらとても安定しており、本領発揮するのは高速走行時ですが、フラツキもなく、ちょっとしたアスファルトの乱れがあったとしても信用して走れ、走行中に前輪が浮いてしまうような恐怖感も感じませんでした。

快適性を言えば夏はとにかく暑いです。風からライダーを守ってくれるフルカウルは、夏は風を遮ることと、水冷エンジンを更に冷やすためにエンジン付近のファンが回りだして、熱気が出てきます。夏に暖房の風に当たっているような感じですが、冬は少し寒さが和らぎますので、夏のツーリングはなるべく涼しい場所へ行っていました。

このファンはシリンダーを抜いた(エンジン停止後)に急に回りだすことがあって、次回乗る時のバッテリーは大丈夫か?と不安に感じることもありますが、普通に乗っている分には特に問題ありません。エンジン停止後にファンが回る機能は無くても良いように思います。

安定性、中低速トルク、パワーともに文句ないマシンです。年月が経っても古さを感じさせない流線形のデザインは今後も人気車種の地位を確約すると信じていいます。

■購入費や維持費に関して

私が車体購入したのは2000年で当時は中古でも状態が良いものは100万円を超えていました。今は1400ccも出てきたおかげか大分手頃になり40万円程で手に入れることができます。

維持費ですが、消耗品の減りが早い人もいますが乗り方によって大きく差が出ます。通勤などの街乗りが多い人はチェーンとブレーキパッドの交換が早いようですが、私は長距離ツーリングが主だったので、そこまで気になりませんでした。

車体を買った時に履いていたタイヤは柔らかめ(カーブで滑りにくい)だったのですが、私は峠を攻めるよりも旅で使っていたので固めのタイヤ(高速メイン)にしたらタイヤの持ちが良くなりました。

ツーリング時は燃費リッター20kmを超えていました。ただ、大型バイクはパワーと車重が大きいため加速でもエンジンブレーキによる減速時にもチェーンに対しての負荷は大きいようで、最も交換が早いのはチェーンです。チェーンの相場は3万円前後です。

■メンテナンスについて

C型(旧型)と違いD型はバッテリーが新タイプで、月に何回かツーリングで使う分には、2年持ちました。よって特に不便は感じませんでした。しかしバッテリーを交換する時はガソリンタンクを取り外す必要があり、ひと手間かかります。容量24リットルのタンクは、なるべく空に近い状態で外すようにしてください。

私はこの構造上旅先でのバッテリー上がりが嫌だったので、バイク用充電器に付属していたバッテリーへの接続用コードをつねにつなげていました。ヘッドライトの電球交換作業は隙間に手を入れながら指先の感覚での作業になり、光軸調整が必要なため、ショップへ頼んだ方が良いと思います。

勿論メリットもあります。センタースタンドがあるため、イレギュラー対応以外の通常メンテナンスは非常にやりやすいです。特にホイールのクリーニングを頻繁に行うバイクですから後輪を手で回せるのは理想的で、チェーン調整も楽にできました。

■これから購入を考えている方に

ZZR1100D型は10年以上前のモデルなのにも関わらず、全く古さを感じさせないデザインです。長距離でも疲れにくいパワーとトルク、安定性は癖になると思います。

私はこのバイクに乗ってからはバイクに求めるものが「速さ」から「快適性」に変わったほどです。高速道路での走行でも法定速度までたどり着くまでにストレスを感じませんし、海沿いなどののんびりと走りたい道では低回転域でも安定した走りを約束してくれます。

中古で購入する時はアッパーカウルのミラーの付け根付近が割れていないかとガソリンタンクに転倒傷がないかを要チェックです。もし見つけたら相当激しい転倒をしている可能性が高いです。タンクに傷があるのに、外装のカウルがやけに綺麗なものは外装カウルだけ交換した可能性があります。

外装の見た目だけで判断しないでください。跨った時に前傾姿勢がきついようでしたらバーエンドの高さを上げるパーツも売っていますので安心してください。1cm高さを変えるだけで大分楽になります。ワインディングでもハイウェイでも操作性と快適性を楽しめるツアラーZZR1100です。

3 件のコメント

  • 現在、フィリピン在住。
    以前、日本にいた時GPZ1000RXに4年間乗っていました。
    あれから、30年の時が流れ 年金生活まで少しの年齢になってしまいましたが、バイク復活で動いております。
    ただし、K狂の私は、K以外に乗る気にならず。
    かと言って、フィリピンでは玉が無く、自由に選べることが出来ません。
    KとSは大型の新車も現地販売していますが、戦隊物のような昨今のデザインに馴染めないでおります。
    ようやく見つけたZ1Rは、高程度のベンツが買える値段でした。
    ある時、近所のバイク修理屋に見覚えあるカウルがありまして、声を掛けたら 客のOH待ち車体とのこと。
    前オーナーさんが、OHするか否か迷っていましたので、人の弱味に漬け込んで、OH前の条件で格安で購入しました。
    現在、全バラ中ですが、幸い 日本にバイク仲間が生存してますので、部品をDHLで送ってもらっています。
    仕事が忙しくて日曜日くらいしか いじれないでいますが、フィリピン嫁にガレージが汚れて狭くなっていると文句を言われておりますので、早々にくみ上げようとしております。
    復活 時速280Kmでっす。

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